例えば保存料の使用について、食品会社は「消費者が腐ったものを口にして健康を害さないように使っている」というでしょう。しかし、それは単に「一度つくったものを長く売りたいから、保存料を入れて在庫管理している」とも考えられます。保存料が健康に良いのか、悪いのかは、消費者がその両面を考えたうえで判断しなくてはなりません。
また、食品会社は「消費者がもっと食べたくなる食品」を開発するため、「おいしさの研究」を行っています。その結果、糖質を使った商品にはその効果があることがわかっています。糖質を取るとヒトの脳は幸福感を得て、その効果が消えるとまた食べたくなる。糖質を使った食品は人間の本能に訴えるからです。それが甘い食べ物や飲み物が世の中にあふれている理由です。
ですから、生まれつきの体質、病気、薬の副作用といった何らかの事情で太った人を除いた、肥満の多くは、そのことを知らずに過ごした結果ともいえます。いまは医療情報をたくさん得ればいいのではなく、その情報を見極め、正しく判断する力がなければ健康になれない時代なのです。
ドクター牧田 最強の食事術