逆流現象が常態化してびらんや潰瘍ができるようになると、胃酸に弱い食道の粘膜が胃酸に強い胃の粘膜に置き換えられていきます。これをバレット粘膜と呼び、食道がんの前がん病変として最近急激に注目されています。
逆流した胃酸が歯のエナメル質を溶かしたり、のどを痛めたり、高齢者などは逆流性食道炎から誤嚥性肺炎を発症することにもなるのです。
■ポッコリお腹の人は注意
では、これらを防ぐにはどうしたらいいのでしょうか?
逆流性食道炎の多くは寝ている間に発生します。皆さんもお酒や食事をたくさん召し上がった夜に胃の中の酸っぱいものがこみ上げてきたり、その翌日にひどい口臭や胸やけを経験したことがあるはずです。それは体を横にすると食道も縦から横になるため、胃酸が逆流しやすくなるからです。寝ている間は胃酸を中和したり、食道を洗い流してくれる唾液量も減るため、症状が出やすくなるのです。
内視鏡医が見た12月の胃袋