高血圧、糖尿病、肥満は50代でも心不全のリスクを上げる

「だれでもなる病気」が循環器内科の常識(C)日刊ゲンダイ

「一般的に心不全は高齢者に見られる病気です。しかし高血圧、糖尿病、肥満、動脈硬化などがあり、それらの治療を受けていない場合、50代でもリスクがあります」

■血圧、血糖値を下げる治療では不十分

 心不全は「早い段階であれば予防や治療が可能である」と先に述べた。

 米国の大規模臨床試験では、収縮期血圧を従来の140未満まで下げた群と、120未満まで下げた群とを比較。後者では特に心不全のリスクが低下し、生命予後を改善するという結果が出た。

 糖尿病では、余った糖を尿と一緒に排出し、減量効果にも優れる糖尿病治療薬SGLT2阻害薬が、ほかの糖尿病治療薬よりも心不全を減らし、死亡率も下げることが明らかになっている。

「血圧さえ下げればいい、血糖値さえ下げればいいという治療では不十分。今後は心不全予防を見据えた治療が必要です」

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