抗不安薬や睡眠薬は増える一方…薬を見直す家族の働きかけ

診察時にはお薬手帳を

「ベンゾ系の薬は、ゾルピデム錠とエチゾラム錠で、薬剤師さんの説明によると、副作用でふらつきが見られるとのことでした。母がよくふらついたのは、視力や足腰の問題とばかり思っていましたが、薬のせいだったんですね。薬をやめてからは、そんなにふらつくこともない気がします。施設の方によくしていただいているので、毎日楽しそうで、薬がなくてもよく眠れるようです」(ストレスケア日比谷クリニック院長の酒井和夫氏)

 この女性は、施設への入所が薬を見直すキッカケになったが、知らず知らずのうちにベンゾ系の薬を重ねてしまっている人は、どうすればいいのか。

「家族の働きかけが、とても大切です。同じ薬が複数の医療機関で処方されていることを医師と薬剤師に相談し、薬の見直しをお願いするのです。絶対にやめてほしいのは自己判断で薬を突然、中止すること。ベンゾジアゼピン系の薬をやめるときは、医師の指示で少しずつ減らしていくのが鉄則。突然やめると、反動で不具合が生じやすいのです」(酒井氏)

2 / 3 ページ

関連記事