だからといって、便秘解消を下剤に頼ってばかりいては、逆によくない。今はネット通販などで安価な下剤を大量に購入できるが、どんな成分を使っているかに注意。特に「センナ」「大黄」「アロエ」「キダチアロエ」などを含有している「アントラキノン系下剤」を長期に連用していると、やがて効き目が弱くなり、多量に服用する下剤依存に陥りやすくなる。
そうなると腸管粘膜が黒褐色になる「大腸メラノーシス(大腸黒皮症)」が出現することが多く、ひどくなると腸管運動が低下し、蠕動運動があまり起こらず、便意も感じなくなってしまう。そして、アントラキノン系下剤を減量していくことが非常に困難になるという。
「市販薬の下剤の約70%がアントラキノン系下剤です。また漢方製剤の11種類すべてにアントラキノン系下剤の一種である大黄が含まれています。『生薬だから安心』と思うのは間違いです。下剤を使う場合は、基本的には便の水分量を増やす『酸化マグネシウム製剤』を使い、それでも解消できないときにだけ、化学合成系の刺激性下剤(商品名・ラキソベロン)を使うのがいいでしょう。食品扱いの“腸にいいお茶やサプリ”も、センナやアロエなどが含まれていたら要注意です」
病気を近づけない体のメンテナンス