男性はペニスにコンプレックスを持っている人が非常に多くいます。勃起時の大きさを気にする人もいますが、特に多いのは「包茎」の悩みです。しかし、包茎にはカッコ悪いと感じる必要のないタイプの包茎が多いことを正しく理解しておくべきです。
そうでないと、過度に気にして手術を受けたために、強引に高額な施術を勧められたり、手術がうまくいかず術後にひきつれや痛み、勃起障害などの後遺症を抱えるケースがあるからです。
2016年に国民生活センターが「美容医療サービスにみる包茎手術の問題点」という注意喚起を出しています。それによると、過去5年間に寄せられた美容医療サービスの相談のうち、男性の相談件数は2131件で、その半数以上が包茎手術に関する相談とされています。包茎手術の相談は年代別に見ると、もちろん20代が最も多く646件ですが、50~70代も56件もありました。
包茎には大きく分けて「仮性包茎」と「真性包茎」があります。仮性包茎は、普段は亀頭が包皮で覆われていますが、勃起時や包皮を手で引っぱると亀頭が露出する状態になります。真性包茎は、普段も勃起時も亀頭が常に包皮に覆われている状態です。包皮口が異常に狭いか、もしくは亀頭と包皮が癒着しているために包皮が剥けないのです。そして、包皮口が狭いのに無理に剥いて、亀頭が露出したまま包皮が元に戻らない状態を「カントン包茎」と呼びます。
実は、日本人男性の6~7割は、普段は包皮がかぶっている仮性包茎なのです。だから仮性包茎であるのが普通で、恥ずかしいことではなく、手術を受ける必要もありません。ただし、毎日お風呂で包皮を剥いて、きれいに洗うことが大切になります。
■公的保険が利く手術も
一方、真性包茎は必ずしも手術が必要というわけではありませんが、亀頭が露出できないときれいに洗うことができないので、不潔になります。亀頭と包皮の間にアカがたまりやすく、嫌な臭いがしたり、痛みやかゆみの原因になる亀頭包皮炎を起こしやすくなります。できれば手術を受けることをお勧めします。
また、カントン包茎を起こした場合には、亀頭の下が強く締め付けられるので、痛みとともに包皮にリンパ液がたまって腫れ上がります。この状態が長く続くと亀頭が壊死(えし)を起こすので緊急手術が必要な場合があります。カントン包茎を起こすような人も手術をお勧めします。
ちなみに真性包茎とカントン包茎の手術は保険適用となり、仮性包茎で手術を受ける場合には自由診療(自費)になります。
専門医が教える パンツの中の秘密