5年後に治る可能性 「遺伝子治療技術」で難病が消えていく

元気な子供が増える?

■新たな医療制度や法律が新薬開発に拍車をかけた

「難病が治らないのはその病気の研究が進まないからですが、背景に患者さんが少なく、『早く治すべき』との世論が形成されないことがあります。そのため公的な研究資金がつかず、研究が後回しにされたのです。患者数が少なければ研究は進みませんし、製薬企業が薬を作ろうとしても、高い開発費に見合った収益が確保できず、開発を断念せざるを得なかったのです」

 この状況を打破したのが「希少疾病(国内患者数5万人未満)用医薬品指定制度」だ。米国で始まった制度だが、創薬や医療機器開発で世界をリードしたい日本もほぼ同じ制度を創設した。承認審査上の優遇を受けられることで製薬会社は創薬に踏み切れるようになったというわけだ。

 2014年の「患者数が特に少ない(注・国内患者数1000人未満)希少疾病用医薬品指定制度」、翌年にリニューアルされた「難病対策法」がこの流れに拍車をかけている。

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