とはいえ、個別に数値を見ると、夏と冬で達成率に大きな差があるわけではありません。
ところが血糖、血圧、脂質の3つすべてが目標値に達成しているかどうかで見ると、夏の達成率は15・6%で、冬はさらに低く9・6%しかいない。血糖の条件を「8%未満にする(本来は7%未満)」と条件を緩めても、血糖、血圧、脂質の3つすべて目標値に達成しているのは夏で23・7%、冬で15%だったのです。
前述の通り、動脈硬化の進行を止め、ひいては心筋梗塞や脳卒中など心・脳血管疾患のリスクを下げるには、血糖、血圧、脂質をいずれも基準値範囲内に保たなければならない。1つは低くても、ほかの2つが高ければNGなのです。治療目標値に達成しやすい夏ですら15・6%または23・7%と低く、冬においては9・6%または15%というのは、多くの2型糖尿病患者の方が、動脈硬化対策をきちんとできていないということになります。
進化する糖尿病治療法