麻酔薬が主成分の新たな抗うつ薬が登場 2~3時間で効果が

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

■即効性が特徴も幻覚や妄想などの副作用が

 抗うつ薬としてのケタミンの特徴は即効性だ。服薬後2~3時間で効果が表れ、1週間ほど持続。従来の抗うつ薬では3割の人に効果が見られない難治性うつ病にもケタミンは効果を発揮。難治性うつ病対象の研究では、7~8割の患者に効果を示すようだ。

「マウスの実験から得た結果がすべての人間にも同じ効果を反映するとは言えない。しかし、ケタミンの場合、うつ病患者でまず効果が確認された点が大きいのです」

 問題は前述の通り、幻覚や妄想などの副作用がある点だ。そのため、FDA認可のエスケタミンは「限られた医療機関でのみ処方」「必ず医師の目の前で投与。自宅への持ち帰りは禁止」などの規制がある。

 しかし、この副作用に関しても、今後は違う展開が見られるかもしれない。橋本教授もケタミンの抗うつ薬の承認に向けて動いているさなかだが、橋本教授が取り扱っているケタミンの「R型」は、先に承認された「S型」と異なり、副作用が少ない可能性があるのだ。

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