病気を近づけない体のメンテナンス

腎臓<上>自覚ない慢性腎臓病で心疾患・脳卒中のリスク上昇

夜間頻尿や高血圧による不眠などの症状に注意(C)PIXTA

「透析に至る疾患で多いのは、『糖尿病性腎症』『慢性糸球体腎炎(主にIgA腎症)』、高血圧が原因の『腎硬化症』『多発性嚢胞腎』。生活習慣病やメタボリックシンドロームの診断がされている人は、自分でも腎機能を調べて気にする習慣をつけて欲しいと思います」

 腎臓は握りこぶしくらいの大きさの臓器で、ウエストの少し上の背中側に位置し、左右1個ずつある。役割は体内の老廃物を排泄したり、体内の水分や電解質の調節などを行っている。腎臓が分泌するホルモンの中には、血圧を上げる働きをするものもある。そのため腎臓病になると高血圧になったり、逆に高血圧があると腎臓病が引き起こされたりするのだ。

 CKDは軽度~中等度は、ほぼ無症状。それ以上悪くなると、尿の濃縮機能が障害されるので、夜間にトイレで目が覚める「夜間頻尿」が見られたり、血圧が高くなることで何となく「だるい」「不眠」「頭痛」などの不定愁訴が表れる。しかし、これらの症状が出てしまうと、透析に至るリスクが一段階高まるという。

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