独白 愉快な“病人”たち

作家の篠田節子さん ブラジャーのシミで乳がんが発覚して…

篠田節子さん(C)日刊ゲンダイ

 うろたえている暇もなく治療に当たって必要な選択肢を提示され、判断を迫られました。まずは手術する病院。次は乳房温存か切除か。そして、そのままか再建か……。

 そこで頼りになったのは、作家で医師でもある知人や音楽仲間のお医者さんでした。その方々に相談のメールを送り、最新の情報を踏まえた助言をいただけたことが、ありがたかったです。

 これは、病気から学んだことですが、相談するなら、親族・親友より大して親しくなくてもいいから専門家です。ネットの情報はあてにならないし、友達の乳がん経験者も10年も前のことなら、事情はすっかり変わっています。

“どこかで一度名刺を交換して一緒に飲んだことがある”ぐらいの人でも、自分の専門に関わることでは親身になって有益な情報をくれるものです。

 初めは知人の乳がん経験者がほぼ温存手術だったので、当然のように自分もそちらのつもりでしたが、乳腺科の先生にはがんの位置や形状から全摘を勧められました。

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