役に立つオモシロ医学論文

専門誌で論文報告 野菜や果物は白内障の予防に有効なのか?

 5年間にわたる追跡調査の結果、男性における白内障リスクは、野菜の摂取量が最も低い人に比べて、最も多い人で23%少ない傾向にありました。この関連性は特にアブラナ科の野菜摂取で強く、最も少ない摂取量の人と比較して、最も摂取量の多い人では26%、統計的にも有意に白内障リスクが減るという結果です。

 他方で、女性では野菜の摂取量が増加するにつれて白内障リスクも段階的に上昇しました。また果物の摂取量と白内障リスクには明確な関連性を認めませんでした。

 男性においてはキャベツやブロッコリーなどアブラナ科の野菜を食べることが白内障の予防に有効であると考えられなくもないですが、性別や野菜の種類で一貫した結果は示されておらず、明確な関連性はないといえそうです。

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青島周一

青島周一

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

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