手術はなくなる?心臓弁の交換や動脈硬化はカテーテルで治療

 一方で心臓突然死の大半を占める「虚血性心不全」にも新たな治療法が登場、普及しつつある。虚血性心疾患とは心臓に十分に血液が供給されず、心臓の筋肉自体が貧血状態になる病気のこと。狭心症と心筋梗塞があり、前者は心臓に向かう冠動脈が動脈硬化などで狭くなっている状態、後者は冠動脈が詰まり心臓の筋肉が壊死した状態を指す。

「高齢者だけでなく、最近は40~50代の患者さんも増えています。喫煙、食生活の乱れ、ストレスなどで血管が傷つくことによる動脈硬化や血栓が原因です。治療法としてカテーテルを用いてバルーンで血管を広げたり、ステントという金属管で広げた血管を維持したり、局所に血栓溶解剤を流すなどを行う経皮的冠動脈治療(PCI)があります」

 高度に石灰化した動脈硬化には「ロータブレーター」治療が行われる。カテーテルの先端に高速回転する人工ダイヤモンドをとりつけて閉塞部分を削り取り、血管内を広げる治療法だ。

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