病み患いのモトを断つ

東大大学院教授が解説 スロトレで認知症予防・がん抑制

4秒かけてゆっくりと(東大大学院教授の石井直方氏)/(C)日刊ゲンダイ

 筋肉量は一般に30歳くらいをピークに緩やかに減っていく。50歳を過ぎると、下り坂が急になり、80歳になると30歳の半分だ。筋肉量が特に減りやすいのが、太ももの前だという。

「寝たきりになると、太ももの前の筋肉は1日0・5%も減るのです」

 転んでケガするのが嫌で引きこもると、虚弱状態が悪化する悪循環に陥るが、筋肉の働きは、運動器としての働きだけではないという。

「筋肉は、じっとしていてもたえずエネルギーを消費し、熱をつくり出しています。体の中の“ストーブ”の役割が2つ目です。足腰の筋肉は、体の中では比較的大きな筋肉。その減少は、ストーブの熱量低下を意味します。年を重ねて、冷えを感じるのは、筋肉量が減っている証拠です」

■筋肉貯金のおかげで悪性リンパ腫を克服

2 / 4 ページ

関連記事