骨と筋肉の疑問に答える

半月板損傷は何もしないと変形性膝関節症になる可能性アリ

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

【Q】「半月板損傷」と診断されました。将来、「変形性膝関節症」になる可能性はありますか?(元高校球児の38歳男性)

【A】可能性はあります。

 私の患者さんで半月板損傷から変形性膝関節症になった方がおられました。交通事故で半月板を損傷し、手術とリハビリを勧めたのですが、何もしないまま病院に来なくなった50代の男性は、4年後に来院されたときには変形性膝関節症になっていました。

 半月板とは、太ももの骨(大腿骨)とすねの骨(脛骨)の間にある軟骨の板です。関節を安定させて、大腿骨と脛骨の関節面の衝撃を和らげる働きがあります。損傷を受けるのは膝を曲げているときにねじれが加わったときなどです。一般的には膝関節靱帯損傷と合併して生じることが多いといわれています。

 急性期の半月板損傷では痛みと腫脹(炎症などが原因で、体の組織や器官の一部が腫れあがること)が表れます。

1 / 3 ページ

水井睦

水井睦

みずい整形外科院長。日本整形外科学会認定専門医、同会認定脊椎脊髄病医、同会認定リウマチ医、日本体育協会認定スポーツドクター。1995年北里大学医学部卒業。横浜市立大学医学部整形外科入局。大学病院、国立病院などを経て、2005年から東京・祐天寺にて開院。

関連記事