血管・血液を知る

血液は血管のほころびを治し、外敵の侵入を防いで監視する

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 その数は血液の1マイクロリットル中、男性で約500万個、女性はやや少なく約450万個。この赤血球に含まれるヘモグロビンが、肺で酸素と結合し、動脈血になり、体の隅々の組織に酸素や栄養を供給します。

 さらに、動脈から体の組織の中の毛細血管に至る全身への血液運搬が終わると、ヘモグロビンは二酸化炭素を取り込んで静脈血ができます。また、静脈血は臓器からの老廃物も含んで心臓に戻ってきます。ちなみに、このヘモグロビン(人間ドック学会による基準範囲=男性13・1~16・3、女性12・1~14・5g/デシリットル)が減ると貧血になり、ひどくなるとめまいや息切れなどの貧血症状が出ます。ヘモグロビンが下がらない低血圧による「脳貧血」などは本当の貧血ではありません。

(東邦大学名誉教授・東丸貴信)

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