従来の開胸手術とTAVIの中間くらいの治療法に当たるのが「MICS(ミックス)」と呼ばれる小切開手術です。開胸手術のように胸骨を大きく切らず、内視鏡を使って大動脈弁の手術を行います。小さな傷で体の負担が少なく、短期間で退院できるというメリットがあり、希望する患者さんも増えています。
さらに、「スーチャーレスバルブ」による大動脈弁狭窄症の弁置換術も好成績を上げています。生体弁に取り付けた金属製のバネの力を利用して、心臓の弁がある箇所にはめ込む手術です。縫合することなく留置できるため、処置にかかる時間は25分程度で済み、その分、患者さんの負担は小さくなります。
TAVIとは違い胸を切開して実際に心臓を見ながら処置するので、予期せぬトラブルが起こっても制御可能です。安全性も高い治療法で、今後さらに広まるのは間違いありません。
上皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」