Dr.中川のみんなで越えるがんの壁

石田純一はTV番組で余命8年と 肝臓の線維化を知る検査2つ

ワインを2本も空けたら…

 アルコールの影響が表れるスピードは個人差があり、一般に女性の方が速い。それを知る手がかりが、実は血小板の数値です。10万個を下回ると、肝硬変の恐れが。血小板の数値低下と肝臓の線維化の進行には、右肩下がりの関係がありますから、血小板の動向は要注意です。

■血小板の数値低下も要注意

 その対策で私は、半年ごとに2つの検査を受けています。ひとつは、エコーで「肝臓の硬さ」と「肝臓に蓄積した脂肪量」を同時にチェックできる肝硬度測定検査(フィブロスキャン)です。肋骨のあたりにプローブを当てるだけ。5分ほどで終わります。

 硬さの正常値は5。17を超えると肝硬変の可能性が高まります。

 もうひとつは、Fib―4 index。肝機能の項目の「AST」と「ALT」、血小板の数値をもとに計算で導きます。(年齢×AST)÷(血小板×√ALT)。ASTとALTは、血液検査で分かりますから、人間ドックなどを受診している方は、結果表にあるかもしれません。それを参考にネットなどで入力すれば結果は分かります。1・30未満は線維化の可能性が低く、それ以上がグレーゾーンで、2・67以上は線維化の可能性が高い。

 ASTやALT、血小板の数値が正常でも、数値が高くなることがあるので注意が必要です。私は、2つの検査結果が悪い時は、酒量を減らしています。

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中川恵一

中川恵一

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

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