独白 愉快な“病人”たち

日本海を眺めながら死も考えた…早川史哉さん白血病を語る

早川史哉さん(C)日刊ゲンダイ

 ただ、開幕戦でデビューした直後の疲労感は、それまでの人生で感じたことがないほどでした。1週間後の2戦目の夜は寒けでガタガタ震え、ベッドのシーツも寝間着も汗でびっしょりに……。 次第に首のリンパ節や両足の付け根の鼠径部が膨れ上がり、激痛が走るようになりました。「これは絶対におかしい」と思いながらも、レギュラーの座を手放したくない思いもあり、チームに言い出せませんでした。

 体調不良の恐怖と闘いながら4月になり、チームの予防接種の日のことでした。ついでに喉を診てもらって血液検査を受けたら、「白血病の疑いがある」と告げられたのです。

 ショックではありましたが、体調不良の正体がわかり、全身の力が抜けました。

 でも、そこから一気に日常が変化していきました。急性白血病と判明し5月に入院、骨髄穿刺やリンパ生検、髄注(抗がん剤を脊髄腔に注入する治療)……。注射針さえ嫌いだったので、本当に苦痛で恐怖でした。

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