独白 愉快な“病人”たち

日本海を眺めながら死も考えた…早川史哉さん白血病を語る

早川史哉さん(C)日刊ゲンダイ

 その後も一時退院や再入院を繰り返し、治療を続け、完全退院となったのは最初の入院から約1年後の17年6月でした。安堵感に包まれました。

 とはいえ、白血病に完治はなく、再発の可能性が常にあります。その恐怖と常に向き合いながら、その後はプロとしてプレーできる体にまで持っていかなければいけません。最初は立ったり座ったり、普通の生活を送ることからスタートです。散歩しただけでも息が上がり、脚がむくみ、疲労感は強烈でした。リフティングしただけでサッカーボールが重い。体の衰えに絶望感がいっぱいで、理想と現実の差に苦しみ、うつっぽくなった時期もありました。

■凍結されていたプロ契約の解除で火がついた

 走れるようになってからも、プロのレベルでやるには体を追い込む必要があります。「今は体をいたわるのを優先し、まだ突き詰めなくてもいいかな」と考えてしまう。そんな甘えを振り切るのにも時間がかかりましたね。

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