体内の臓器で最も大きく重たい「肝臓」。1日に一升瓶にして1200本分もの血液が流れ込む。肝臓の働きの中でも重要なのが、①食べ物から取った栄養素を体で使える形に変える「代謝」、②アルコールや有害物質などを分解して無毒化する「解毒」、③消化吸収に必要な「胆汁の生成」だ。
健康診断で肝機能が「異常なし」といわれた人でも、一度はチェックしておきたいのが「肝炎ウイルス」の感染の有無で、気づかないうちに慢性肝炎を発症し、肝硬変や肝がんに進行する恐れがある「B型肝炎」と「C型肝炎」は要注意だ。日本肝臓学会肝臓専門医で「銀座しまだ内科クリニック」(東京都)の島田昌彦院長が言う。
「B型やC型は性交渉でも感染します。感染しても肝機能が正常な人がいて『無症候性キャリアー』といって、いつ慢性肝炎を発症するか分かりません。B型では無症候性キャリアーから、いきなり肝がんを発症する場合もあるので要注意です。それに本人が自覚していないので、感染を広げてしまうことが問題です」
病気を近づけない体のメンテナンス