血管・血液を知る

血液とは何か<2>白血球は血中を24時間パトロールする警察官

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 血小板は、正常血液1マイクロリットル当たり15~40万個あります。血小板の大事な役割は、血管が傷つくと、急いでそこに集まり(凝集)、破綻した場所を塞いで出血を防ぎます。例えば、手にかすり傷ができて出血しても、血が自然に止まった経験があると思います。これは主に血小板の働きによるものです。

 血液はこの血小板のほか赤血球、白血球と、それに血漿(プラズマ)から構成されていますが、水分が90%という血漿はどんな働きをするでしょうか。

 透明な液体である血漿に含有する物質は、各種タンパク質、ブドウ糖、脂質、金属イオン、電解質、ホルモン、ビタミンなどです。その中で、とくに重要なタンパク成分が「アルブミン」(浸透圧維持や物質の運搬を果たす)、それに「免疫グロブリン」(病原体などに抵抗する抗体として体を守る)です。

 また、多種の「血液凝固因子」(出血を止める大切なタンパク質)などのタンパク質も重要です。

 ちなみに、主に肝臓で作られている「アルブミン」の基準範囲は4・0g/デシリットル以上ですが、これが低下しますと浮腫が生じます。栄養失調や肝臓機能などが侵されていることなどが疑われてきます。

2 / 2 ページ

東丸貴信

東丸貴信

東京大学医学部卒。東邦大学医療センター佐倉病院臨床生理・循環器センター教授、日赤医療センター循環器科部長などを歴任。血管内治療学会理事、心臓血管内視鏡学会理事、成人病学会理事、脈管学会評議員、世界心臓病会議部会長。日本循環器学会認定専門医、日本内科学会認定・指導医、日本脈管学会専門医、心臓血管内視鏡学会専門医。

関連記事