絶対に風邪をひかないための技術 ベテラン内科医が教える

予防に有効なマスクは正しく使うのと…

 マスクのフィルターの網目はウイルスよりも大きいので役に立たない、という意見がある。インフルエンザは空気感染するとの報告もあるので、それが本当ならその点では意味がないかもしれない。しかしインフルエンザや風邪の感染の多くは飛沫、接触によるといわれており、マスクはその予防には有効だ。

「マスクは飛沫が直接口や鼻に侵入するのを防ぐだけでなく、感染した手で口や鼻を直接触ることも防ぎます。豪州のニューサウスウェールズ大学の研究によると、人は、1時間で平均23回、無意識のうちに顔を触り、接触時間は口が2秒、目や鼻が1秒と報告しています。マスクはこうした行為による感染リスクを大幅に下げます」

 マスクは口や鼻の中の温度を上げる。その結果、冬の寒さで滞りがちな血流を改善する。そうすると免疫細胞が体内に侵入したウイルスや細菌を素早く発見し対処できる。問題はメリットの多いこうしたマスクを一般の人は正しく使えていないことだ。

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