入れ歯の手入れが原因で肺炎が少なくなるという結果が得たいわけですから、本来であれば肺炎を調査したうえで過去の入れ歯の手入れ状況を調べるというのが、時間的な関係を満たしたやり方です。この研究では、そこが「逆」になっています。この研究から言えることは、「入れ歯を手入れすると肺炎を予防できるということではなくて、肺炎を起こす患者は入れ歯の手入れをしなくなる」ということになります。
このように原因と結果の調査順序が逆になっているような研究は珍しいですが、原因と結果を同時に調べたという研究は多くあります。この同時に調べた研究というのも症例対照研究やコホート研究と思われがちですが、これは「横断研究」と呼ばれるものです。
医療情報の正しい読み方