進化する糖尿病治療法

超便利な世の中到来で“普通”の生活が肥満を招く

糖度の高い果物も血糖値を上昇させる(C)日刊ゲンダイ

 こういったものを頻繁に食べていれば、肥満の原因になりますし、血糖値は上がります。「果物はすべて、ビタミン類が豊富で体にいい」と考えている人もいて、より厄介です。

 ウニやイクラ、白子やあん肝、筋子など、それらがたくさん取れる地域に住んでいる人や漁業にかかわる一部の人は別にして、昔は「日常的に食べるものではない」というのが共通認識でした。ところがこれも、状況が変わってきています。

 ネットで安く現地から取り寄せられる時代ですから……。また、今は白子とあん肝が大量に入った通称「痛風鍋」を比較的リーズナブルに出す飲食店もいくつかあると聞きます。かつての「たまのぜいたく」が、今やそうじゃなくなってきているのですね。

 さらには、ロボット掃除機が複数のメーカーから発売され、安いものも出ています。普通の掃除機を使って部屋の掃除をすれば多少体を動かしますが、ロボット掃除機を使えば、全く体を動かしません。

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坂本昌也

坂本昌也

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

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