元広島・北別府さん襲った成人T細胞白血病とはどんな病気

白血病を公表した元広島投手の北別府学さん(C)日刊ゲンダイ

 HAMになる確率は約0.3%、HUは10万人当たり約110人の発症。この場合は潜伏期間が数年以上で、若い人でも発症する。

 ATLはかつて、「九州の沿岸地方の風土病」といわれた白血病で、発病していないキャリアは、九州・西南沿岸地方に集中していたが、人口の流動化によって九州・西南沿岸地方だけでなく、関西、首都圏など全国に広がっている。最近は母子感染予防対策などによって、新たにキャリアは減少しているが、それでも全国で約100万人と推定されている。

 日刊ゲンダイの連載「がんと向き合い生きていく」の中で、かつて都立駒込病院名誉院長の佐々木常雄氏は、「ATLが発症した場合の病態は多様で、進行が速い場合と穏やかな場合があり、急性型、リンパ腫型、慢性型、くすぶり型に分類されます。治療法は、CCR4抗原がある場合は分子標的薬『モガムリズマブ』の使用が可能です。薬物併用療法は進歩していて、いろいろな工夫がなされています。また、治癒が期待できる同種造血幹細胞移植も検討されます」と話していた。

 ちなみに、同じALTを2009年に発症した元宮城県知事の浅野史郎(71)氏は2年間の闘病の末、復活している。

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