がんは、細胞分裂時にDNAの複製エラーが生じることで発生する。人体にはそうしたエラーを防ぐさまざまな仕組みや、がん化した細胞を排除する免疫システムが備わっているが、それも、50歳前後になると劣化して、がんを防ぎきれなくなる。つまり、人間は50歳前後になると死ぬための「がん」という仕組みが発動して、寿命を制限してきたのだ。
また、人間もゾウもネズミも体の大きさや1回の拍動に要する時間は違うが、みな心臓が15億回打てば死ぬという、生物学の考え方がある。それによると、体の大きさから予想されるヒトサイズの動物の寿命は41・5歳となるのだそうだ。つまり、生物学的には人間の体は42歳を過ぎると保証期間切れということだ。
■男と女がある生物には細胞の「自死」システムがある
ではなぜ、人には「寿命の制限」がかかっているのだろうか?