愉快な“病人”たち

グラウンドに立ちたい…鈴木康友さん骨髄異形成症候群との闘い

鈴木康友さん(C)日刊ゲンダイ

「やばい、神ってる! その日は私の大好きなミスチル桜井さんの誕生日!」

 そんな娘のひと言が僕の不安を一瞬で取り除きました。3月8日は、僕が臍帯血移植を受けた日です。

 一般的に移植手術をした日は「第2の誕生日」と呼ばれます。実際、血液型がO型からA型に変わりましたから、とても不思議な気持ちです。自分の体に60年間生きてきた血液とは違う血が流れている。

 自分の命があるのは、今も日本のどこかで元気に育っているお子さんの造血幹細胞のおかげです。その子とお母さんをつなげていた「へその緒」(臍帯血)に僕は命をつないでもらったのです。元気になればなるほど、恩返しのためにも大切に生きなければいけないという思いが強くなっています。

 体調の異変に気付いたのは2017年の夏でした。当時、僕は東京に家族を残し、単身赴任で四国アイランドリーグの徳島インディゴソックスでコーチをしていました。前期優勝を果たし、後期に向けて準備をしていた時、急に体のだるさに襲われたのです。何もしたくないほど体が重く、ノックも10本ほどで息が切れてしまう。

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