独白 愉快な“病人”たち

グラウンドに立ちたい…鈴木康友さん骨髄異形成症候群との闘い

鈴木康友さん(C)日刊ゲンダイ

 移植そのものは臍帯血に存在する造血幹細胞を点滴するだけなので、切ったり縫ったりはしません。移植1週間前から抗がん剤による前処置が始まり、徐々に白血球を減らしていき、移植直前に強い薬で完全にゼロにするんです。そして「移植」を受けました。

 そこからの3週間が一番きつかった。38度を超える発熱、脱毛、味覚が変わってしまって何もかもまずい。吐き気で何も食べられないから体重も激減して……。ただ、妻がむいてくれるリンゴとバナナだけは味が変わらなかったので、あれには助けられました。

 造血幹細胞が骨髄で生着して新たな血を造り始めるまでは約3週間。その前後を含めて2カ月は無菌室で過ごし、退院まではトータル4カ月かかりました。

■家族が一丸となって乗り越えることができた

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