年末年始から1カ月…痛くない“大人の虫歯”が寿命を縮める

大人の虫歯は自覚症状が乏しい

■もっとも良くないのは“だらだら食い”

 お酒を飲んでそのまま寝てしまう中高年も虫歯リスクを高める。

「歯磨きを忘れたり、口呼吸になって口腔内が乾くことも問題ですが、中高年の中には胃液が食道だけでなく、口腔内や耳や鼻まで達する、重度の逆流性食道炎の人も少なくありません。そういう人は胃液で上歯の裏側のエナメル質が溶かされ、そこが虫歯になる場合があります。通常では見られない虫歯です」

 虫歯リスクでもっとも良くないのが、だらだらとモノを口にすることだ。

「年を取ると、一度の食事で食べられる量が減るので、ちょこちょこ食べる人がいますが、歯にはこれが一番いけない。多くの人が勘違いしていますが、虫歯になるのは甘いものを食べるからではなく、食事回数が多いからです。だらだらと食べると虫歯菌が食べ物から糖分を取り込んで歯垢(細菌の塊)をつくり、歯垢から常に酸を出すことで歯を溶かす脱灰の時間が長くなります。その一方で、溶けだした歯を唾液の力で修復してくれる再石灰化の時間が短くなり、虫歯リスクを上げるのです」

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