Dr.中川のみんなで越えるがんの壁

北別府学ぶさんが告白 成人T細胞白血病は九州・沖縄に偏在

山本政権では投手コーチを務めた北別府学さん(右)/(C)日刊ゲンダイ

 感染経路として大きいのが母子感染で、浅野さんの母もHTLV―1感染者だったそうです。ウイルスは母乳に含まれていると考えられていて、母親が感染者だと、20~30%の子供が感染するといわれます。子供への感染を阻止するには、検査でウイルスの有無を確かめ、授乳をやめれば、リスクはほとんどありません。

■ウイルス感染が原因で潜伏期間は50年

 輸血は、血液製剤の検査の厳格化で感染リスクはなくなりました。セックスで感染した後に発症したという報告もありません。

 このウイルスの潜伏期間は30~50年と長く、若い方での発症はまれ。年齢とともに増加し、60歳くらいをピークに減少します。浅野さんと北別府さんが60歳を越えて発症したのは、この病気の特徴に合致するのです。

 感染者は九州や沖縄に多く、北別府さんも鹿児島県出身。このエリアを中心に全国に120万人の感染者がいると推計されますが、発症するのは1万人に6人程度と少ないのです。

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中川恵一

中川恵一

1960年生まれ。東大医学部医学科卒業。同院緩和ケア診療部長を兼務。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

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