30年以上病気知らず 人気ドクター大谷義夫医師の健康法

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「インフルエンザで商談を欠席」「ひどい風邪で会議に出たら周囲に嫌な顔をされた」――。身に覚えがある人もいるのでは? 体調管理はサラリーマンの基本。そこで「絶対に休めない医師がやっている最強の体調管理」の著者、池袋大谷クリニックの大谷義夫院長(56)に話を聞いた。

 大谷院長は呼吸器内科専門医。今の時季はインフルエンザや風邪の患者がクリニックに押し寄せ、一般の人より感染のリスクが高くなる。しかし記者は大谷院長と知り合って約10年になるが、インフルエンザや風邪をひいている姿を一度も見たことがない。大谷院長も「30年以上病気をほぼしたことがない」と話す。秘訣は、最新研究から見つけ出した「科学的根拠に基づく体調管理法」を実践していることだ。

【マスクを正しく使う】

 大谷院長によれば、インフルエンザや風邪は体調を崩す最大の原因。

「その予防にマスクは有効です。飛沫、喉の乾燥、接触感染の3つを防止するからです。ただし大半の方はマスクの使い方を間違えている」

 ポイントは4つ。①鼻と口をしっかり覆うジャストサイズを選ぶ。②つける前に手を洗う。③つけ外しはゴム紐を持ち、外す時にマスク表面を触らない。④頻繁に交換。一度外したものは捨てて、新しいものに替える。

【手の対策を徹底的に】

 周囲のあらゆるものにウイルスが付着している。それに触った手で顔を触れば接触感染につながる。予防にマスクが役立つことは前述の通りだが、さらに手洗い、乾かし方も正しい方法で。

「手のひら、手の甲、指の間、爪の先、手首を30秒以上かけてせっけんで洗い、ペーパータオルで拭くのが理想的。タオルを使うなら、家族間で共用しない。アルコール性手指消毒剤で、手指や手でよく触る部分を頻繁に消毒することもお勧め」

 不特定多数の人が触る硬貨は極力使わず、キャッシュレス決済に。さらに大谷院長は、銀行や役所などで書類を書く際はマイペンを用いる。

【風邪をひいたと思ったらプールで5分泳ぐ】

「軽い運動は免疫細胞であるNK細胞を活性化し、さまざまな免疫マーカーの働きを高めます。私は慣れている水泳を選びますが、ウオーキングでもジョギングでも軽い有酸素運動であればなんでも構いません」

 やりすぎはかえって免疫力を下げるので禁物。なお風邪ウイルスを殺す薬はないので、風邪薬を飲んでも意味がない。

【インフルエンザワクチンは必ず打つ】

「ワクチンで100%予防はできませんが、打っておけば発症しても軽く済みます。感染力が強いウイルスですから、自分のため、そして家族や同僚のためにも打つべき」

【基礎体力アップ】

 基礎体力が高ければ、ウイルスに感染しても発症せずに済む。大谷院長がいろいろ実践している中でも、ぜひ取り入れたいのが朝食と運動だ。

「朝食は抜くと死亡リスクが1・3倍に上がるというデータがあります。少しでもいいから食べるべき。私は、朝は時間がないこともあり、ヨーグルトにリンゴ、バナナ、ハチミツ、エゴマ油を混ぜて食べています。運動は免疫力を上げる。私は運動は平日1日と週末1~2日と決めています。飽きないように水泳、トレッドミルでのジョギング、暗闇ボクシングの3種類から選びます。最後の診察が終わるのが21時近くなることもあり、帰宅は22時すぎ。その時間から軽く水泳をしに行くことも珍しくありません。それ以外では、昼休みに10~15分ほど散歩をしています」

 診察、学会発表、メディア対応、本の執筆などで超多忙の大谷院長ができるのだから、私たちにもできるはずだ!

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