進化する糖尿病治療法

ダメばかりは長続きしない 悪いことを重ねないが重要

東京慈恵会医科大学の坂本昌也准教授(C)日刊ゲンダイ

「この週はたまたまコース料理の日が続いた」とA子さんは言いますが、周囲からは「よくその食生活で、スリムな体形を維持しているな!」と驚かれるそうです。そう、A子さんはBMI(肥満指数)19~20、体脂肪率15~16%という筋肉質のスリム体形。ちなみに、BMIの基準は22、40~59歳の女性の体脂肪率は標準より少し痩せ気味が22~28%、標準より少し太り気味が29~35%です。

■自分ができる範囲で対策を

 また、A子さんは基礎代謝基準値が25・5で、30~49歳の21・7を上回っています。筋肉が多いために基礎代謝量が高く、じっとしていても痩せやすい。

 好きなものを好きなだけ食べているように見えるA子さんですが、体形維持、というより健康維持のために、A子さんは「悪いことを重ねない」を心掛けているそうです。糖尿病など生活習慣病になって、お酒と食の楽しみを奪われたくない。だから、できる対策はする。具体的には、酔っぱらってシメのラーメンを食べたり、食後に行ったスナックやバーではお通しやつまみを食べない。

3 / 4 ページ

坂本昌也

坂本昌也

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

関連記事