なかにはお尻の痛みが引いて新たに腰痛に悩まされる人がいます。こういう人のなかには、仙骨や尾骨の痛みが強すぎて椎骨と椎骨の間のクッション役を果たしている椎間板がヘルニアになっていることに気がつかないのです。
また、私の40代の女性の患者さんは、尻もちをついてから半年後にしびれや腰の痛みを感じるようになりました。
痛みは脳にも影響するといわれています。この女性も、体を少し動かすたびにしびれや腰の痛みが続くために、うつ症状も出ていました。こうなると治療は複雑で、厄介なことになります。
質問者さんのように、尻もちをついてから痛みがしばらく続くようなら受診しましょう。「たかだか尻もち程度で検査なんて……」と思われる中年の方もおられるかもしれません。しかし、いまの中年は少し前までは老人と分類された人たちです。大げさだと思う程度に騒いで用心するくらいが丁度よいのです。
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