遺伝子治療薬はここまで来ている

「キムリア」はすべての白血病に対して使えるわけではない

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 遺伝子治療薬「キムリア」についてもう少し詳しくお話しします。

 現在、日本国内で販売され、使われている遺伝子治療薬は4つの疾患に対する4種類の薬剤があります。その中でも、キムリアは「自分の血液をいったん取り出し、遺伝子改変(導入)をした後で体内に戻す」という点で、他の遺伝子治療薬とは大きく異なります。

 対象となる疾患は、血液のがんである「白血病」です。国内で使われている4種類の遺伝子治療薬のうち、「がん」を対象としているのはキムリアだけになります。

 ただ、どんな白血病にでも使えるかというとそうではありません。「B細胞性急性リンパ芽球性白血病/リンパ腫」のうち「CD19抗原という分子が細胞表面に発現したタイプ」で、なおかつ「一度治療したが治りきらなかった」場合や「再発してしまった」場合に用います。誰にでも最初から最新の遺伝子治療薬を投与できるわけではないのです。

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神崎浩孝

1980年、岡山県生まれ。岡山県立岡山一宮高校、岡山大学薬学部、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科卒。米ロサンゼルスの「Cedars-Sinai Medical Center」勤務を経て、2013年に岡山大学病院薬剤部に着任。患者の気持ちに寄り添う医療、根拠に基づく医療の推進に臨床と研究の両面からアプローチしている。

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