脳梗塞の意外なサイン…年を重ねて「背」が縮んだら要注意

前かがみに注意(C)日刊ゲンダイ

 頚動脈の変位走行異常があれば、ホースがねじれて水の出が悪くなるのと同様、血液の流れに変化が起こる。ある場所ではスムーズに流れるが、ある場所では速くなったり、ゆっくりになったりする。たとえば、ホースの先端を狭くすれば水の流れは速くなって遠くに届く。一度ゆったりして、その後、ドバッと一気に流れると、勢いで血栓が脳に飛び、脳梗塞を起こす可能性がある。

 そこで角田医師は患者に「脳梗塞を起こす可能性がある」と紹介状を書いた。患者は1週間後に内科に行くと言っていたが、6日目で脳梗塞を起こしてしまった。

 このことをきっかけに、角田医師は高齢者の患者に口腔咽頭の観察と経鼻的喉頭ファイバースコピーを実施。すると、多くの患者で頚動脈の変位走行異常が見つかった。共通点は「首が前かがみ」「加齢による動脈硬化」だった。そこで初診で65歳以上の172人に承諾を得て、経鼻的喉頭ファイバースコピーを行った。17人(約1割)に頚動脈の変位走行異常があり、17人すべてにMRIで無症状の脳梗塞が見つかった。

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