医者も知らない医学の新常識

少し太めが健康的である理由 皮下脂肪が体を細菌から守る

皮下脂肪が体を細菌から守る!(C)日刊ゲンダイ

 湿疹などで肌が荒れると、ばい菌に感染して傷んだりすることも多くなります。これは肌には体を細菌やウイルスなどから守る働きがあり、肌が健康な状態でなくなると、その力が弱まってしまうからです。

 そこで重要な働きをしているのが、「抗菌ペプチド」と呼ばれるタンパク質です。抗生物質というのはカビなどがつくる抗菌作用のある成分で、今では薬として使用されています。しかし、作用が強力なので体に害があったり、耐性菌といって、その抗生物質が効かない細菌が増えるという危険があります。

 その一方で抗菌ペプチドはマイルドな作用で、耐性菌をつくるようなことがないので最近、注目されているのです。

 抗菌ペプチドは白血球や皮膚の細胞など、多くの場所でつくられていることがわかっています。そして、最近注目されているのが、皮下脂肪の細胞です。2015年の「サイエンス」という一流の科学誌に掲載された論文によると、皮下脂肪のないネズミは皮膚の感染に弱く、それが脂肪細胞でつくられる「カテリシジン」という抗菌ペプチドの働きによるものであることが明らかになったのです。

 少し皮下脂肪の多い体形の方が肌つやも良く、健康的な印象がありますが、それは脂肪の免疫作用の影響もありそうです。

 少し太めが健康的というのは、医学的にも事実であるようです。

石原藤樹

信州大学医学部医学会大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

関連記事