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フケがスーツに落ちて目立つ…対策は皮脂の量を調整すること

病気が原因の場合も
病気が原因の場合も(C)日刊ゲンダイ

 フケは頭皮から出る老廃物で、古くなった頭皮の角質がはがれ落ちたものです。通常のターンオーバー(新陳代謝)で発生するフケは小さく、洗髪で取り除かれるので目立ちません。ただターンオーバーのリズムが速まると、未熟な細胞が目に見えるくらいの大きさでごっそりはがれてしまうのです。

 フケ発生の要因は、頭皮の「皮脂」と、頭皮に存在する皮膚常在菌「マラセチア菌」のバランスが崩れること。ほどよい皮脂は頭皮に潤いをもたらし、マラセチア菌は雑菌の侵入を防ぎ頭皮の健康を守ってくれますが、どちらも多すぎたり少なすぎたりすると「フケ症」と呼ばれる状態に。

「乾燥フケ」と「脂性フケ」の2つに大別できるフケ。「乾燥フケ」は過度な洗髪や、洗浄力の強いシャンプーが原因です。ブラシで頭皮をゴシゴシと刺激する、爪を立てて洗髪する、ドライヤーの熱風、パーマやカラー、紫外線ダメージなども問題。

 シャンプーは1日1回。指の腹で優しく洗いましょう。アミノ酸系、ベビー用、乾燥肌用シャンプーがおすすめ。乾燥して頭皮がかゆい場合は、シャンプーやリンスをきちんと洗い流す。ドライヤーは短時間で行い、保湿用ローションで保湿します。傷口にはローションを塗らないように。

 ベトベトした「脂性フケ」は、頭皮の皮脂バランスが崩れて皮脂が増えたことが原因。皮脂が過剰にあると、皮脂を栄養とするマラセチア菌も必要以上に増殖、脂漏性皮膚炎を発症します。症状が気になる人は、ミコナゾール配合のシャンプーを。改善しないなら皮膚科を受診してステロイドやニゾラールなどを配合したクリームやローションなどを処方してもらってください。

 食生活の乱れ、睡眠不足もフケの原因に。皮膚のターンオーバーは夜の11~2時が活発なので、この時間に眠っていることが大切です。フケ対策をしても良くならない場合は、病気が原因かも。皮膚科をぜひ受診してください。

(国際医療福祉大学熱海病院検査部・〆谷直人部長)

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