先天的な陰嚢水腫は1歳までに自然治癒が期待できますが、3歳を過ぎても消失しない場合はそのまま残ります。また女児でも同じ現象が起こる場合があり、陰嚢がないのでソケイ部(股の付け根)に腹水がたまり「ヌック水腫」といいます。
一方、大人になってから起こる後天的な陰嚢水腫は、腹腔と完全に分離されていて腹水の交通路がないので「非交通性陰嚢水腫」と呼びます。原因は、性感染症による炎症やケガなどがきっかけで生じることがあり、たまる水は腹水ではなく、主にリンパ液などの体液です。
陰嚢水腫は「命に関わることがない」と言いましたが、最も注意しなくてはいけないのは「精巣がん」との鑑別です。どちらも痛みがなく陰嚢が腫れたように大きくなりますが、違いは手で触ったときの感触です。
精巣がんの場合は、がんが睾丸にできて腫れているので触ると硬い。陰嚢水腫の方は、風船のようにブヨブヨして軟らかい。
専門医が教える パンツの中の秘密