膝の軟骨を修復 「変形性膝関節症」を改善させる2つの体操

関節を温存するためには軽い運動がいい(C)日刊ゲンダイ

 実際に、変形性膝関節症を患う50代の女性は寝返りすら打てなかった膝の痛みが軽くなり、階段の昇降もラクになったという。軟骨の再生もMRI(磁気共鳴画像装置)でも確認された。

「軟骨の再生は数カ月~数年かかりますが、痛みの改善は早い人で数週間で実感できます。痛みが改善する理由は大きく2つあります。ひとつは、リズミカルな運動が幸せホルモンともいわれる神経伝達物質『セロトニン』を活性化し、『下行性疼痛抑制系』と呼ばれる痛みを抑える仕組みを強化するからです」

 また、体を小刻みに動かすと、骨格筋から慢性炎症を抑える「PGC―1α」も多く分泌される。

「年を取ると免疫系が老化して炎症反応を制御する機能が低下し、全身に慢性炎症が起こります。リズミカルな運動はこれを回復させる働きがあるのです」

 どちらの運動も恩師である故・井上明生久留米大学名誉教授の研究がヒントになっている。

「井上先生は2005年、ジグリング(俗にいう貧乏ゆすり)で股関節の軟骨が再生することを世界で初めて医学的根拠を用いて証明しました。ならば変形性膝関節症にも応用できるのではないか、と考えたのです」

 あなたもやってみてはどうだろうか。

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