2010年にHPVワクチンの公費助成がスタート。13年には小学6年から高校1年の女子生徒を対象に定期接種がスタート。ところが、その2カ月後に、厚労省は副反応問題への対応で「積極的な勧奨」を中止して、現在に至っています。
ワクチン導入前の1993年度生まれが20歳時に子宮頚がん発症リスクを1とすると、公的負担でワクチン接種ができた99年度生まれまでの学年は、相対リスクがほぼ0・3に落ち着いています。当時のワクチンは、7割の子宮頚がんを抑えるといわれていましたから、ほぼその通りの結果です。
一方、定期接種ができていたころの接種率は7割ですから、0・7×0・7=0・49。対象学年は、ほぼ半数の女子学生が子宮頚がんにならずに済むことになりましたが、接種率がゼロ近くになったことで、リスクはワクチン導入前の状態に戻っています。ワクチンを接種しないリスクが、明らかです。
Dr.中川のみんなで越えるがんの壁