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新型肺炎の余波でマスクなし 花粉症対策の“秘策”とは?

マスクなしでどう切り抜ける?!
マスクなしでどう切り抜ける?!(C)日刊ゲンダイ

 マスクがない。どうすりゃいいのさ……。新型肺炎騒動で“マスク争奪戦”が勃発している。そのトバッチリで、花粉症の人がマスクをしたくてもできず、悲痛な叫びが聞こえてくる。抗アレルギー薬をきちんと服用するのがセオリーだが、薬を服用しながらマスクなどでガードする人は少なくない。そこで、マスクに代わる対策法を探ってみた――。

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 2月5日午後1時、東京・有楽町駅前のビックカメラ3階にある医療品コーナーをのぞくと、マスクの棚には、「1人2個まで」の張り紙がしてあるが、商品は一つもなかった。ちょうどそのとき、店員が濡れマスク1点を陳列すると、中年男性が真っ先に手に取る。「もっとほしい」という顔をしながら周りを見渡すが、もちろんなく、その1個を手に残念そうにレジに並んでいた。

 その代わり、商品棚で存在感を増しているのが、花粉やPM2・5などをブロックするスプレーやクリームだ。料金はサイズなどによるが、1000円前後。日本在住らしき中国人サラリーマンが3人連れ立って、2、3個ずつ買い求めていった。

■人気のスプレーは皮膚のかゆみの緩和に

 スプレーは、フマキラーの「アレルシャット」や資生堂の「IHADA」などが定番。どれも、顔や頭にシュッと吹きかけるだけだ。顔の周りに“ベール”ができて、花粉が目や鼻、口に侵入するのを防ぐ。フマキラーの場合、陽イオンポリマーがそのベールの役割を果たすという。

「出社前に1回スプレーして終わりではなく、3、4時間おきにスプレーしなおすのが効果的。ただし、本来は、マスクやメガネなどと組み合わせての使用をおすすめしておりまして、この商品のみで花粉の侵入を完全にブロックするものではありません」(フマキラー広報担当者)

 薬を服用しても症状が治まらない花粉症の5人にマスクなしでスプレーを試してもらうと、「くしゃみや鼻水などが抑えられる感じは、なかった」と口をそろえるが、3人は「頬のかゆみは緩和された」という。メーカーの説明通り、手持ちのマスクとセットで、マスクをつける前と後でダブルで吹きかけるのがいいだろう。

鼻の中へ(左上)、鼻洗浄でスーッ(右上)/
鼻の中へ(左上)、鼻洗浄でスーッ(右上)/(C)日刊ゲンダイ
最強は「鼻フィルター」

 鼻や目の周りに塗るクリームタイプも、使用感はスプレータイプに近い。クリームで鼻や目を塞ぐわけにもいかず、やっぱりマスクとセットがいい。スプレーもクリームもイマイチで、鼻水を垂らしながら必死にベストアイテムを探していたら、あった。それが、鼻フィルターだ。

 記者がネットで購入したのは、「Nose Mask Pit Super」。写真のように、2つ1組で左右の鼻の穴に挿入する。だれでもやったことがあるだろう、“鼻栓”の進化版だ。

「フィルターは、N95マスクに使用される不織布で、0・1マイクロメートルの超微粒子を99%以上カットします。花粉やPM2・5のほか、問題の新型コロナウイルスの飛沫などをブロックして、フィルターの奥の鼻腔が清潔に保たれるのです。ただし、花粉症の方の使用方法としては、必ず朝起きて外に出る前に装着してください。外出後に装着すると、花粉が鼻に入っている可能性があり、かえって花粉を閉じ込めてしまいます」(製造元バイオインターナショナル担当者)

 N95マスクは、医療現場で空気感染を抑えるために用いられる“最強マスク”。そのフィルターなら心強い。装着前は息苦しさを心配したが、呼吸は楽だ。なるほど、朝シャワーを浴びて出勤前に装着して外出すると、鼻のムズムズ感が軽い。鼻水も“ノーガード状態”より緩和されている。9個セット1315円(税別)で、1個は1日2回洗いながら5日使えるからマスクより割安だ。

「花粉症が悪化して、鼻の粘膜が過敏のときに装着すると、その刺激で症状が悪化します。装着するのは、症状がないときです」(同担当者)

 類似商品は、「鼻フィルター」「ノーズマスク」などで検索すると、いくつか見つかる。それをまとめたのが〈表〉だ。花粉の飛散はまだピーク前だけに、症状が悪化しないうちに“最新鼻栓”を試して花粉をブロックしよう。

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