骨と筋肉の疑問に答える

痛風発作は「飲酒」「ストレス」「病気」「薬」が引き金に

コーヒーを飲む人は痛風になりにくい

 発作のほとんどは足の親指の付け根に起きますが、ほかに足首や膝などさまざまな関節で起きる可能性があります。

 その理由は2つあります。1つは、関節は体の中心から遠く体温が低いため、結晶ができやすい。もう1つは関節に体重がかかりやすいため、関節に沈着した尿酸塩がはがれやすく、痛風発作を起こしやすいからです。

 よく、「おれは尿酸値は高いが、痛風発作が起きにくい体質だから大丈夫」と言って治療しない人がいますが、突然、発作に襲われて後悔することになりかねません。

 血清尿酸値を高いままほったらかしにすると、体温が特に低い耳の上半分(耳介)や足の裏に皮下結節である痛風結節ができることがあります。結節とは「しこり」のことで、痛風結節とは尿酸塩結晶とそれを取り囲む炎症細胞からできた肉芽細胞のことです。帽子をかぶる習慣のある人は、痛風結節になりやすいことが知られています。

 痛風を予防するには、お酒を控えて規則正しい生活をすることですが、コーヒーをたくさん飲む人、適度な運動の習慣がある人などは痛風になりにくいとするデータもあります。

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水井睦

水井睦

みずい整形外科院長。日本整形外科学会認定専門医、同会認定脊椎脊髄病医、同会認定リウマチ医、日本体育協会認定スポーツドクター。1995年北里大学医学部卒業。横浜市立大学医学部整形外科入局。大学病院、国立病院などを経て、2005年から東京・祐天寺にて開院。

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