人生100年時代の歩き方

牛乳やウコンに医学的根拠なし 医師が教えるお酒の新常識

慶応大看護医療学部教授の加藤眞三氏(C)日刊ゲンダイ
飲まないよりも、毎日適量飲む方が健康

 ――病気にならない飲み方を推奨されていますが、適量とはどのくらいですか?

「日本酒は3合が目安です。エタノール量で多くて60グラム。これまでの研究では、適量を飲んでいる人と全く飲まない人は死亡率に変わりはありません。お酒に強い人は自身の酔いの感覚で適量を決めがちですが、健康を害さない量は基本的に万人共通です」

 別表1はお酒の種類別のエタノール量だ。酒量を決める上で参考にしたい。

 ――特にワインはポリフェノールが多いから健康にいいとブームにもなりました。お酒によって効果は違うのでしょうか?

「米国医師会の専門誌で、ワインに含まれているポリフェノールの主な成分であるレスベラトロールには、がんや心臓疾患を防ぐことと因果関係がないと発表されています。むしろ、これまでの研究から酒の種類に関係なくすべてのお酒の成分、エタノールそのものが動脈硬化を抑えると考えられていて、心臓死を減少させる効果が期待できます」

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