2013年に「ヨーロピアンハートジャーナル誌」に掲載された、筑波大学などが行った研究論文によると、肉をたくさん食べ、飽和脂肪酸の摂取量が増えるほど血圧が下がり、脳卒中と心筋梗塞の発症率は飽和脂肪酸の摂取量が一番少なく、炭水化物をたくさん食べている人たちに圧倒的に多く発症したのです。
脂肪の摂取量が少ないと、肺や心臓の動脈の梗塞が進んで脳出血、脳梗塞や心筋梗塞を起こしやすくなるというわけです。
研究は男女合わせて約8万2000人を対象にして、その食事の傾向と循環器疾患の発生率の関係を約11年にわたって追跡調査したものです。それぞれ事前の5年間における調査で脳卒中や心筋梗塞などの循環器疾患やがんになった人がいないことを確認したうえで追跡調査が行われています。信頼性の高い調査だと言えるでしょう。
むろん、この論文も将来、新たな研究で否定される可能性はあります。しかし、それまでは、「肉などから得られる飽和脂肪酸の摂取量が少なく、炭水化物をたくさん食べた方が脳卒中や心筋梗塞の発症率が高い」というデータから考えて行動すべきだと思います。
ドクター牧田 最強の食事術