■重症でも症状は抑えられる
以上のことを踏まえた上で薬選びをするとして、今シーズンならではのトピックスは「貼り薬」と「重症患者にも効く薬」の2つだ。
まず貼り薬は、2018年4月に発売された「アレサガテープ(一般名エメダスチンフマル酸塩貼付剤)」。世界で初めての貼るタイプの抗ヒスタミン薬で、「食後」「食前」などの決まりがないため、一日のうちいつ貼ってもよく、1回貼れば効果が24時間続く。
「花粉の飛散が増える時間帯に薬の効果が薄れることもありません。朝、症状がつらい人は、前日の夜から貼って備えることもできる。眠気などの副作用も少ない。使い勝手のよい薬なのですが、医師から患者さんに“飲み薬か、貼り薬か”と提案することが少なく、あまり知られていません」
次に「重症患者にも効く薬」とは、昨年末に承認された「ゾレア(一般名オマリズマブ)」。アレルギー反応に関係するIgE抗体の働きを直接阻害するという、従来薬とは異なる作用機序を持つ。従来薬では症状を抑えられなかった重症患者に処方される薬だ。2~4週間に1回の皮下注射になる。