「困った時のS先生、きっと、なんとかしてくれる」
S医師はすぐに飛んできてくれました。
担当医は、S医師は他の診療科からの依頼も多くなっていてとても気の毒と思ったようですが、それでも出血している目の前の患者を見ると、S医師にお願いすることを選択したといいます。
昔のように入院日数が長かった時代よりも、今は1人の医師がたくさんの患者を診察しなければならなくなった事情もあって、依頼されたS医師は長時間勤務が続くことになります。このような良医は、その家族が犠牲になっている場合が少なくない点も気になります。
きっと、心配性なBさんをお願いしたM病院のR医長も、長時間働いておられるのだろう……そんな思いが頭をよぎります。それでも、R医長に「Bさんをよろしく」とお願いしてしまうのです。
がんと向き合い生きていく