耳掃除好きに多い…鼓膜破れ事故が認知症リスクを上げる

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 それは、認知症の65%は遺伝的要因などで医師などの介入が不可能だが、35%は介入可能で、その35%の中には、高血圧、肥満、喫煙、糖尿病、社会的孤立などがあり、最も多くを占めるのが難聴だというもの。

 つまり、難聴の治療は、認知症予防に大いに役立つのだ。

■外来で20分でOK 世界初の鼓膜再生療法

 金丸医師は、鼓膜の代用となる組織を取る必要のない治療の研究に20年前から着手。世界に先駆けて完成させたのが「鼓膜再生療法」だ。この治療用に開発された薬剤「リティンパ」と、組織接着剤を使う。

 鼓膜穿孔があり、感染症が起こっていない患者が対象。治療は、鼓膜穿孔より大きなゼラチンスポンジの塊にリティンパを浸潤させ、鼓膜穿孔部位を覆うように置き、組織接着剤で固定。治療は外来で20分程度で終わり、入院は不要。患者には強い鼻すすりや鼻かみなど耳に圧力がかかることは避けるよう指導し、3~4週間後に外来を再度受診。1回で穴がふさがらない場合は、4回をめどに繰り返し行う。昨年11月から保険適用。

3 / 4 ページ

関連記事