人生100年時代の歩き方

花粉との兼ね合いで困る尿漏れは1000万人が苦しむ…対策は

受診のときは忘れずに(C)日刊ゲンダイ

■抗コリン成分による口の渇きは唾液腺マッサージで

 過活動膀胱の原因のひとつに、神経伝達物質アセチルコリンの過剰分泌がある。それを抑えるのが抗コリン薬だが、薬を飲んでもよくならないケースがある。

 医薬情報研究所エス・アイ・シーの堀美智子氏(薬剤師)が言う。

「抗コリン作用を持つ薬は過活動膀胱治療薬のほか、胃薬、抗ヒスタミン薬、パーキンソン病治療薬など幅広く含まれています。薬効成分が重複しやすい上、高齢で代謝が衰えたり、腎機能が低下していたりすると、体内に長くとどまり、副作用が出やすい。抗コリン薬の副作用のひとつが口の渇き。それで、何度も水を飲むと、頻尿が改善されず、『薬を飲んでもよくならない』ということが起こるのです」

 今の時季なら花粉症の薬も服用するだろう。それと過活動膀胱の薬を併用する可能性は十分。睡眠薬や抗不安薬に頼る高齢者は珍しくない。それで抗コリン成分が重複し口が渇くのだが、渇きを覚えるだけで体内の水分量が減っているわけではない。水分補給の必要はなく、耳の下から顎の下を指で押して唾液腺をマッサージしたり、うがいをしたりして口を潤せばいいという。

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