抗インフル薬「アビガン」は新型コロナに本当に有効なのか

きちんとランダム化比較試験をするべき(C)日刊ゲンダイ

 このうちアビガン、カレトラ、レムデシビルについて、一部の医療機関で必要な患者に観察研究として使用を開始し、安全性に留意しつつ、参加医療機関を順次拡大。レムデシビルについては3月に国際共同医師主導治験を実施予定だという。

「抗インフルエンザ薬のひとつであるアビガンは今のところ新型コロナ肺炎の患者に投与して有効だったという数例の症例報告はありますが、まとまった患者で検討したランダム化比較試験はないようです。さらに、投与した患者と、していない患者を比較した観察研究の結果もないようです。そのため、薬の力で回復したのか、患者の自然治癒力のせいなのか不明で、多くの患者に使う根拠にならないのです」

 中国ではアビガンの類薬であるウミフェノビルとカレトラ、そのいずれの薬も使用していない患者の3群を比較した観察研究の結果が報告されている。残念ながらこの研究では、カレトラもウミフェノビルもはっきりした効果は認められないという結果だった。

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